「理瀬は不思議そうな顔で黎二を見上げた。黎二は横顔でちょっとだけ笑った。」
恩田陸さんの小説が大好きなのですが、この作品がいちばん好きかもしれません(>_< )
家庭の事情でほうりこまれた子が通う湿原上の寄宿学校を舞台にした作品です。
といってもハリポタのとは異なった暗い雰囲気で現代日本と思えない不思議な感じがいいです。ほんとはもっと描きたいシーンがいっぱい!
理瀬の考察に、
女の子はだいたい、『赤毛のアン』派か『若草物語』派の二つに分かれる。理瀬は後者だった。延々と続くアンのお喋りに耐えられなかったのである。『赤毛のアン』が好きな女の子は、女の子っぽい子が多いと思う。かわいいものが好きで、キャーっと叫んでグループを作り、みんなでお揃いのリボンを買ったりする。『若草物語』を好きなのは―――自分みたいな子だ。どちらかといえば一人でいる方が好きで、仲良くもないのに群れるのはつまらないと思い、うんと気の合う子が一人か二人いればいいと思うような子だ。
というのがあるんですが、そうそう!!と納得。私も後者ですね。
でも、前者の女の子には後者の考えは理解されにくいんじゃないかなと思います。
どっちもあっていいじゃんと思うんですが、学校にクラスというものがある以上
前者の方が生きやすいんじゃないかなと。
それから、ヨハンの言葉に
自分の美しさに気付かないというのも、ただの無知で、怠慢ぢょ。自分の美しさに傷つくデリカシーのない女の子って、僕にとってはきれいな女の子じゃない。
というのがあって、人はきれいな方が絶対に生きやすいと思っていたのではっとしました。
美しくて居心地の悪い思いをすることもあるんですね。
実際私は、どんな顔か、よりもどんな格好をしているか、のほうが重要かと思うんですが・・。
PR